胚培養士の職務経歴書の書き方

転職活動を行う上で、必ず必要となるのが「職務経歴書」。
ただ、初めて作成される方は特に、どんな内容を書いて良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。そこで当ページでは、胚培養士専用の職務経歴書の書き方をご紹介いたします。
細かい点まで解説しておりますので、作成のポイントを押さえ書類選考を突破しましょう!
もくじ
職歴経歴書とはどのような書類?
「職務経歴書」をご存知でしょうか。
転職活動では履歴書とセットで必ず必要となる、重要な書類です。初めて転職活動をされている読者様もいらっしゃるかと思いますので、まずは簡単にどのような書類なのかを説明します。過去に作ったことがあるよ!という方も、是非一度お目通しください。
ただ、就業期間と施設名だけですと「そこでどんな業務をしてきたのか?」が、書類からはわかりません。例えば、「○○クリニック入職」と履歴書に記入があったとします。それだけでは、「顕微授精はやっていたのか?」「検査件数は何件程度担当していたのか?」といったことは、記載内容からは判断できません。
応募先施設の採用担当者は応募書類を通じて「この応募者は、個人として何ができる人なのか?」を実は最も知りたがります。学歴と職歴も大事ですが、実際の業務経験から応募要件に合いそうかを判断していくためです。その役割を果たすのが「職務経歴書」というわけです。履歴書の役割を補うものとして、転職活動ではとても大事な書類になります。
職務経歴書には、何を書いたら良いの?
ただ、この職務経歴書、履歴書のように特に決まったフォーマットが無いので、どのような情報を、どのようなレイアウトで書くべきなのか、特に初めて転職活動をする方にとっては結構謎な書類だったりします・・・。
履歴書は入学や卒業、入職などの年月さえ間違いないようにすれば、意外と簡単に書けます。志望動機以外は、あまり悩むこともないでしょう。しかし、職務経歴書は「何をどこまで書けばいいのか・・・」と悩んでしまいます。
でも心配はいりません!
当ページにて、実際に胚培養士さんの転職支援で活用している職務経歴書のフォーマットをお見せしながら書き方のポイントを解説するので、読み終わる頃には書き方を完全に理解できますよ♪
職務経歴書の完成版サンプル
転職に成功された胚培養士さんの実際の職務経歴書のサンプルを公開します。書き方がわからない方は、こちらの職務経歴書のサンプルをご参考ください。
※個人の特定に繋がるような部分は修正しています。
職務経歴書のフォーマット/無料ダウンロードはこちら(Word形式)
職務経歴書
氏名 絵須井 不和須
職務経歴要約
専門学校卒業後、XX病院で採血・検体検査を中心に約3年間従事した後、不妊治療に携わりたい思いから、XXクリニックに転職いたしました。現職では、胚培養業務に現在まで約5年間従事しています。
職務経歴詳細
XX病院 (平成20年4月~平成23年3月)
病院概要:病院 病床数:150床 従業員数:700名 所在地:東京都足立区
配属:臨床検査科 臨床検査技師人数:15名体制
■ 採血
■ 検体検査
・血液検査(100件程度/日)
・生化学検査(100件程度/日)
・一般検査(60件程度/日)
XXクリニック (平成23年4月~平成30年6月)
病院概要:クリニック 病床数:0床 従業員数:12名 所在地:東京都豊島区
配属:培養室 胚培養士人数:3名体制
・ホルモン検査 (使用機器:AIA-360)
・精子検査 (~3件/日)
・ヒューナー検査 (1~5件/日)
・人工授精・卵管内人工授精 (3~10件/日)
・胚の融解・凍結 (~2件/日)
・顕微授精 (~3件/日)
・採卵 (1~4件/日)
・移植 (1~5件/日)
経験・スキル等
・緻密な作業を継続的に行える集中力
・患者様、受診者様の目線に立った説明能力
・臨床検査の異常値・正常値の分別
・効率の良さを重視した事前準備
・検体検査の為の機械操作、ルーチン作業
・PCを利用した文書、データ作成能力
・後輩指導の経験
資格
・臨床検査技師免許(平成20年3月)
・体外受精コーディネーター資格(平成29年3月)
・普通自動車運転免許証(平成17年3月)
自己PR
前職の病院では、検体数が多かったため、確認を行いながら、効率的かつ迅速に業務をこなせるよう気を付けておりました。具体的には、周囲のスタッフの動きを見ながら臨機応変に対応することを心掛けて業務に臨み、効率的に進められるよう努めてまいりました。
また、少しでも現場の人たちが動きやすいように、ということを考えながら行動しています。物事を上手く進めることができるよう、事前に準備する能力には自信がございます。
現職のクリニックでは、日々技術の向上のために、積極的に学会に参加したり、分からないことは随時先輩に聞いて解消したりと、コツコツと努力を重ねてきました。
その結果、昨年より、胚の融解・凍結、採卵、顕微授精等の胚に関することは、ほとんど私に任せていただけるようになり、また、体外受精コーディネーターの資格を取得することもできました。以上
実績のある職務経歴書フォーマットから書き方を学ぶ
「職務経歴書のひな形ってあるの?」と質問をいただきそうですが、胚培養士JOBではしっかりと用意してありますのでご安心ください。職務経歴書には、大きく分けて「職歴要約」「個々の経歴詳細」「自己PR」の3つを書きます。それでは早速、その書き方について解説していきます。
職歴要約は『端的に』記入すること!
職務経歴書
氏名 絵須井 不和須
例)職務経歴要約
専門学校卒業後、XX病院で採血・検体検査を中心に約3年間従事した後、不妊治療に携わりたい思いから、XXクリニックに転職いたしました。現職では、胚培養業務に現在まで約5年間従事しています。
まず、職務経歴書の冒頭は「職歴要約」になります。
学校を卒業されてから現在までのご経歴と業務内容の概要を文章でまとめます。ここでは端的に、3~5行程度が理想ですので細かいことを書く必要はありません。応募先の採用担当者が応募者の経歴を大まかに理解できれば十分です。
と、お伝えしてもイメージが湧かないと思いますので「文章の流れ」と「完成イメージ」のふたつのパートに分けてご紹介します。
文章の流れ
- 学校を卒業してから
- どこで働き(何箇所で働き)
- どのような業務を何年経験した
ザックリとこのような感じです。
この流れで実際に文章を起こしてみたものが以下の文章です。
※1箇所のみの病院で勤めている場合と2箇所以上の病院で勤めている場合では書き方が少し変わってきます。
職歴要約例【初めて転職をする方向け】
XXX学校卒業後、XXXクリニックに入職し、現在まで約5年間、培養室にて顕微授精、受精卵・精子の凍結保存業務などに従事してまいりました。
職歴要約例【転職経験者向け】
XXX学校卒業後、XXXクリニックにて3年間、採血・ホルモン検査を中心とした業務に携わりました。不妊治療クリニックでより患者様に寄り添った業務を行うことを希望して、現在まで約5年間 XXXクリニックにて、胚培養業務に従事しています。
職務要約では、「病院」「クリニック」などの施設形態や、胚培養業務などの従事していた業務内容、「○年」といった在籍期間を入れると端的ながら読みやすい要約ができます。
職務経歴詳細欄の経験業務の記入は『事実を』『端的に』
例)職務経歴詳細
XXクリニック (平成23年4月~平成30年6月)
病院概要:クリニック 病床数:0床 従業員数:12名 所在地:東京都豊島区
配属:培養室 胚培養士人数:3名体制
・ホルモン検査 (使用機器:AIA-360)
・精子検査 (~3件/日)
・ヒューナー検査 (1~5件/日)
・人工授精・卵管内人工授精 (3~10件/日)
・胚の融解・凍結 (~2件/日)
・顕微授精 (~3件/日)
・採卵 (1~4件/日)
・移植 (1~5件/日)
職歴要約のあとは、就業先(医療現場)ごとの担当業務の詳細を記入します。職務経歴詳細の作成における注意点は以下の通りです。
- 配属先と配属先人数を記入する
- 担当業務(臨床行為)を箇条書きで記入する
※端的と言いましても、「胚培養業務」だけではNGです。その後に「人工授精、体外受精」くらいまでの情報は記入しましょう。 - 新人教育や業務マニュアル作成、患者様対応などの項目も忘れずに記入しましょう
- 委員会等の参加経験があれば記入しましょう
- 退職理由は、病院(企業)の都合による場合(部門閉鎖など)のみ記入します
※人間関係などによる自己都合退職は記載不要です
要約の時と同様、担当業務の記載についても『端的に』『事実のみ』を意識して書きましょう。アピールしたい業務内容もあるかと思いますが、それは自己PRの欄に書くこととして、今まで行ってきた業務が、読み手(採用担当者)に、端的に伝わることを心がけてください。
自己PRの書き方
転職活動をされている胚培養士さんから、「自己PRの書き方がわからない」と相談をよく頂いております。
自己PRは『文章』で記入することもあり、難しく考えてしまうかと思います。ここで書き方のポイントを3つお伝えしますので、是非参考にしてみてください。
- ご自身のお人柄をアピールするようにしましょう
- 業務に取り組むうえで、意識していることを書きましょう
- 周囲から評価された事例は必ず含めましょう
自己PRは、ご自身のお人柄やスキルなどをアピールする項目です。「医療や業務、患者様に対する想い」「上長から評価されたこと」「活かせる経験」など、職務要約や職務経歴詳細では語ることが出来ないことを書けますので、有意義に利用しましょう。
文章量は5~10行が適量です。
自己PRの例文(サンプル)を紹介!
ここで自己PRの例文を2つご紹介します。「このように書かなければいけない」ということでは決してありませんが、「具体的に書く」「エピソードを交える」といった例として、ヒントや参考になると思います。
例文1
現在勤務しているクリニックでは、臨床現場で発生したトラブルや咄嗟の対応がわからなかったことのアンケートを実施しました。胚培養士だけでなく医師や看護師も対象に行い、そのうえで勉強会を開催してきました。その結果、普段なかなか関わらない方とコミュニケーションを取ることで信頼関係を構築することができました。また、これまで共有できなかった不安や対策方法もまとめることができたと周囲からも感謝されました。
普段から、現場でスムーズに運用ができているか常に注意を払うとともに、スタッフ一人一人の些細な挙動から考えを汲み取りながら、コミュニケーションとることを大事にしてまいりました。また、自身が周囲の手本となるよう、どんな小さな業務やトラブルでも、逃げることなく真っ先に取り組んできました。特に皆が避けたがる業務は必ず自分が担当して手際よく行い、周りのスタッフが随時相談をしやすい環境を作ることができました。
例文2
胚培養業務では、ミスが無いように事前に必ずチェックをすることを怠らないように取り組んでいます。妊娠率を向上させるには、精神面のケアも重要になってきます。検査や治療についてはもちろんですが、メンタルサポートもできるよう、安心して治療に臨んでいただけるような雰囲気作りや声掛けを意識しておりました。その結果、患者様からも対応が丁寧だとお褒めの言葉もいただきました。
また、医療機器や治療法は日々進化しています。勉強会やセミナーに積極的に参加するだけでなく、部門内や医師、看護師とも情報共有してよりよい治療に繋がるように努力してきました。看護師の方からもあなたがいると心強いと言っていただき、信頼関係を築くことができたと思います。
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職務経歴書の書き方について解説いたしましたが、そうは言っても「この内容で十分なのか」「業務内容はどこまで書けばいいのか」など、採用担当者様が求める内容になっているのかは、分からないのもまた事実です。
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